検査・手術について

診療方針

当院では「できることを全て提案」します。
患者本人と話をして症状や困りごとを聞くことができない動物医療では、視診・触診・聴診等の診察、ご家族様からお聞きした情報、臨床検査を併せて原因を推測し、治療方針を決めていくのが最短のルートです。これまでの診療経験から考えられる病気を発見できそうな検査をまとめてご提案することもあります。
例えば「この症状なら〇〇に原因があることが多いけど、以前似たような子が△△という病気の場合もあったな…こっちの疑いも捨てきれないから血液検査もしておいた方がいいかもしれない」と考えた場合、追加の検査をご提案します。
ですが、必ずしもご提案全てを実施してください、というわけではありませんのでご安心ください。
原因を探ったり、治療方法を取捨選択するために当院ででき、有効と思われる検査をご提案しますが、検査が増えればそれだけ費用も動物さんへの負担も嵩みます。
人間のように健康保険制度のない動物さんにとって、医療にかかる費用は大きな問題です。どの範囲で検査を行い、治療を進めていくか、継続治療はどの程度必要なのか…
動物さんへの負担という観点でも、まとめて検査して原因を探るのか、それとも今日の負担はなるべく軽く済ませるために検査を絞って治療してみて改善しなければ再度検査して治療方針を変えるのがいいのか…
治療の進め方や判断は、その子の性格やご家族様の考え方によって異なります。
急を要する場合もありますが、都度お話しながら治療を進めていきたいと考えております。診療中は目の前の動物さんへの対応に集中しているため、申し訳ありませんがご家族様のご不安に気付けないことがあるかもしれません。こちらもなるべく視野を広く、皆様のことを見ながらお話をしていくよう気をつけてはいますが、費用のこと・治療の内容のこと・リスクのこと…遠慮なくその都度ご相談いただけると助かります

臨床検査

言葉を話せない動物さんの診療には、臨床検査が大切です。
臨床検査とはレントゲン検査や超音波検査のような「画像診断」「血液検査」「尿検査」「糞便検査」などの総称です。

検査機器を持たなくても外部機関に依頼する方法もありますが、体調の悪い動物さんにとっては「時間」が重要です。できるだけ早く治療に取り掛かれるよう、当院はこれらに必要な基本的な検査機器類を導入・設置しています。(場合によっては精密検査のために外部に依頼することもあります)
医療機器は人と共通の機器も多く、高額な機械ですが、グループ病院で協力して複数台導入したり共有したりすることで、導入・維持できるように努めています。

外科手術

体の小さな動物さんにとって、手術の負担やリスクは小さくありません。負担やリスク、ご家族の不安を出来るだけ減らすために、当院では全力を尽くしています。
例えば、手術室の環境整備もその一つです。
可能な限り清潔な環境で手術が出来るよう人間用の手術室と同様にHEPAフィルターという0.3μm以上の粒子を99.97%捕集する超高性能フィルターを導入し、空気を濾過しています。また陽圧管理によって手術室外の菌が手術室に入り込むことを防いでいます。
様々な外科症例に対応できるよう手術室には多くの手術器具を準備して、適切な治療が行える環境を整えています。

内視鏡手術

内視鏡及び腹腔鏡手術は、人間と同様、細い管を通じて体の中の映像を見ながら手術が行えるため、一般的な開腹手術のように大きく開腹せずに手術を行うことが出来ます。そのため、傷口が小さく、動物への負担が少ない手術方法です。
犬や猫の避妊(不妊)手術はもちろん、エキゾチックアニマルの手術まで、最近では様々な症例に用いられるようになってきました。

適応できる場合と出来ない場合があるため、当院での診察の結果、内視鏡手術が向いていると判断した場合、グループ院の内視鏡センターで手術を行います。
内視鏡センターの院長は当院の前院長であり、内視鏡手術のメリットを生かした手術を行うことの出来るよう、今までの経験を生かし、更なる鍛錬を行っています。日本獣医内視鏡外科研究会の認定を得るだけではなく、現在では講演を行うなどを通して後進の育成にも力を入れ、さらなる経験を広げています。

内視鏡外科手術・腹腔鏡手術の説明は下記ボタンからご覧ください。
(動物内視鏡センターのホームページへ移動します)

専門治療と診療技術向上のために

近年では動物医療が発展すると同時に、医療のニーズに応えるための専門化が進んでいます。このため、人間の医療と同じように、専門分野に特化した研究を行う獣医師がいます。当院ではそのような非常に卓越した知識を持つ獣医師(以下、スペシャリストと呼びます)と協力して動物医療を行うことで様々な病気の治療に取り組んでいます。スペシャリストを当院に招いて専門診療を行なったり、二次診療施設への紹介を行わせて頂いております。
スペシャリストによる麻酔科(タップで詳細表示)
当院では麻酔科のスペシャリストとともに、手術麻酔および鎮痛に対する積極的な取り組みを行っています。
手術に際して麻酔は絶対に必要なものではありますが、手術の危険性に大きくかかわる要素の一つです。患者さんの状態によっては麻酔から覚めないなどのケースもあり、「リスクが大きく手術の技術と同様に重視するべきもの」だと考えています。
そのため、当院では麻酔のリスクや身体への負担軽減を目指して、継続的にスペシャリストによるスタッフへの教育・指導を行い、また、非常に難しい手術や状態の悪い患者さんにおいては協力して共に手術を行っています。
また、手術前後やその他の疾患に発生してしまう痛みを鎮痛剤などによってコントロールすることで、手術に関するあらゆる負担を減らすことを目標としています。

~麻酔科顧問獣医師のご紹介~
長濱 正太郎
獣医師、小動物麻酔鎮痛サポート代表(VAS)

■ 所属学会
獣医麻酔外科学会 麻酔・疼痛管理専門部会委員
日本麻酔科学会 正会員
川崎市獣医師会 団体正会員
JAHA 学術会員
日本獣医学会 正会員
■ 略歴
2002年3月:日本大学 生物資源科学部 獣医学科 卒業
2006年3月:東京大学 大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻博士課程 修了
2006年4月~2012年5月:東京大学 附属動物医療センター(教務補佐員および特任助教)
2012年6月~2013年8月:日本動物高度医療センター 麻酔科(常勤)
2013年9月~現在:VAS 代表、日本動物高度医療センター 麻酔科(非常勤)

診療技術向上のための取り組み(タップで詳細表示)
当院では日々進歩・進化する医療技術や情報を取り入れるため、積極的に学会やセミナー、症例研究会に参加しています。
全ての獣医師や看護師が不在になってしまうと診療ができないため、交代で参加できる体制を整備したり、講師を招いて診療時間外に院内でのセミナー開催等も行っております。

<当院の取り組みの一例>
・スペシャリストや別の動物病院の獣医師による診察及び診療指導
・スペシャリストや研究者等と共に行う症例検討会
・外部から誘致した獣医師や講師による院内セミナー(スタッフ教育) 等